VOX modeling Guitar Starstream Type 1 Plus Mahogany Black

This article is written in Japanese.

これから数回、去年の年末に色々購入したものを紹介していこうと考えています。

まずはVOXのギターです。
VOX モデリングギター Starstream Type 1 Plus Mahogany Black [VSS-1P-MH-BK]。

このギターの特徴は様々なギターの音色を表現できる事です。これ1つでストラトキャスター、レスポール、アコースティックなど、色々な音色を出せます。

しかし、ここではそのような事については取り上げません。実際ぼくは最終的にはその機能を使っていないからです。確かにいろんな音色が出るのですが、ノブやスイッチで音色を変更するたびに大きく音量が変わってしまうのがあまり気に入らなかった事、音色を切り替えるのに立った位置では現在のノブの位置が分かりにくい事、モデリングに電池を4つも使いますが非常に電池ボックスが固かったり配線が切れそうで怖かったりするからです。

ちなみに、もしこのギターだけで上記の問題を解決する方法はというと、ないわけではないです。ノブのUSER, USER 2を使い、さらにボリュームとトーンのノブの間にあるスイッチを使って、6種類の音色を自分の好きな状態に切り替えられるので、それを使う手もあります。
また、電池ボックスとその配線については、やすりなどでいろんな部分を調整するなどの工夫をすれば、スムーズに運用できる可能性があります。

さて、買ったあと気付いたのですが、これを買う1ヶ月ほど前にプラグインで同じような機能を実現したソフトがあったので、今度それを試そうと思っていたのを完全に忘れていました。
その事を覚えていたら出会えなかったギターかもしれません。
(現在はこのギターを使っていろんなギターの音色を出すのに、実際には改めて購入したそのプラグインを使っています。)

でも、このギターを今後ずっと中心に使っていこうと思いました。なぜでしょう?
まず、このギターの特徴の1つはモデリング機能を使わない時、電池なしで普通のエレクトリックギターとして使える事で、その素の音がすごくいいんです。
そして、フレットの感触がとてもいいです。指を置く感覚、滑らせた感覚、1フレット近くを押さえるコードもすごく体に近く感じます。指板の厚さもちょうど良く、幅は今まで使ってたのより狭いので手の小さい人でも扱いやすいです。また、オクターブチューニングもほぼ狂いなく、12フレット以上の高音を弾いた時の音や感覚も良好です。
そして決定打がものすごく軽く扱いやすい、なのにその特徴的なくり抜かれたようなボディからは想像がつかないほどのフィット感です。右手で弾く位置とベルト当たりの体の当たりがとても安定しています。

ちなみに初めにちゃんと試奏した時は、今までレスポールやアコースティックタイプしか使ったことがなかったので、1~4弦をブリッジミュートしてのハーフミュートした音を出したいことが多く、しょっちゅうボリュームノブに手が触れてしまい、その度に音量が変わってしまって困ったので、病院で薬をもらう時に付いてくる小さい輪ゴムを前から引っ掛けて今度は十字にねじって後ろから引っ掛けることで、ボリュームを最大値にしてノブの動きを殺していました。

このギターですが、ほとんどの道具は元々付属しています。ただし、1つだけ例外があります。後ろの方を見てください。オクターブチューニングをするプラスのネジを回す時に、このギターの特徴である音色を変えるノブに干渉してしまいます。ですから普通のプラスドライバーでは、このネジを回せません。肝心のその道具だけ付いていませんでした。幸い届いた時、すでにオクターブチューニングが合っている状態だったので良かったですが、今後困ります。

ですからインターネットで検索して、L字型のドライバーを探しました。最終的にホームセンターで詳しい方に案内してもらいながら買ったのですが、本当にシンプルなL字型になってるだけのドライバーがいいようでした。実際、調整する時はほんのわずかな角度を回すだけになるので、この明快な道具が正解でした。ネットで検索するとラチェットと言うんでしょうか?回す時に閉める方向だけに自動的になる一般向けには便利な道具もあるのですが、楽器の微調整という作業には適さないことに買った後に気付いて、自分の選択は間違っていなかったんだとホっとしました。

こうして右の今まで主に使ってたギターと比べると、指板が長く見えます。なのに1フレット辺りも弾きやすいというのはとても意外です。全体的な体の置き方とギターの部位の位置関係が自分にとても合っているのでしょう。
部屋の掃除ができていないことは勘弁してください(汗)

さて、こうして今後メインで使う予定になったこのギターですが、届いた時はちょっとビックリしました。最初はこのギターの特徴であるモデリング、つまり配線などに故障がないかを中心に初期不良のチェックをしたのみでしばらく置いていました。
ようやく時間が取れたということで本格的な試奏をすると、エラい問題が見つかりました。なんと1弦2フレットの音がほとんど出ないのです。これではギターとして使えません。
このギターはネットで買って、最初の1ヶ月を超えてしまっていたので、送料なども考えて近くの楽器屋に修理を頼むことにしました。幸いそこには凄腕のリペアマンがいました。その人にあずけて少し調整して様子を見てもらいました。するとエラい事です。1弦2フレットを鳴らそうと努力すると、12フレットが!6フレットが!3フレットが!と数珠つなぎで他のフレットもどんどん打ち込みが必要で、とんでもない修理代金になってしまいます。

実はこのギターは通常より安く手に入れることができたので、傷などはあるものと覚悟して買ったのですが、ギターとして使えないとなると大変なことになるし、だからと言ってそんな高額な修理代を払うと何のために今しかないと手に入れたのか分からなくなってしまいます。
保証書を見ると1年間無償修理と書いてあるのは知っていましたが、送料だけでもバカにならないと思って、それなら近くの信頼できる楽器店で…と思ったのですが、これは予想外でした。

このままでは使えないので販売店に連絡を取ったところ、送料も販売店負担で初期不良扱いで修理してもらえるということでした。また、返金も可能という親切な対応をしていただきました。
リペアマンに訊くと、もしかしたらフレットを打ち込み直しても数年ごとに調整が必要かもしれないということでしたが、とにかく持った感じや弾いた音にフィット感すべて気に入ってるので、とりあえず販売店に送り返しての修理をしてもらうことにしました。
実際は販売店からメーカーに行って、さらに修理専門会社に行ってとなり、非常に時間が掛かること。そしてフレットの打ち直しはできなく、フレットの打ち込み直しで調整するので、もしかしたら調整し切れずに返金の可能性があるということでした。

ぼく自身は急いでるわけでもなく、いい状態で帰ってくればいいので、とにかく年末に送りました。そして2月後半になろうかというところでようやくギターが帰ってきました。
実は送り返す前にリペアマンに状態を見せてもらった時に、各フレットがどのくらい指板から浮いているかを見せてもらい、案外ばらつきが多いのを確認したので、全体的に見た方がいいですよと販売店の方に申し上げていました。

さて、試奏です。完璧です!もちろん1弦2フレットもきちんと鳴ります。そして全体のフレットの打ち込みも相当いいです。だいぶ安く買ったのに、3倍くらいの値段がしてもおかしくないギターになって帰ってきてしまいました。
それからエアコンの暖房の風の返しが少し当たる場所に置いていましたが、今まで使っていたギターと同様、問題ない状態を維持できる事を確認しました。

非常に満足しています!

最後に一番初めに載せた写真と同じものを載せておきます。このギターはすごくフィット感が良くて、独特の形状なのにすごいなと思いましたが、実はストラップの付け方も特徴的です。
まず下に左右2つストラップを引っ掛けるところがあります。見てください、ギターの中心にありません。色々やってると、自分の場合は左の方でしっくりくるようでした。
そして上の方のストラップを引っ掛けるところはギターの裏にあるので、ストラップの外側をギターに付けるという面白い試みをしています。
全体的なフォルムと実際はギターの中心部分のみを残してくり抜かれた重心の位置、それに加えてストラップの向きという総合的なギターのあり方と、それで実現された圧倒的な軽さがとても印象的です。

届いた当初、いろいろな問題がありました。そして元来いろんな音色が出るギターを手頃な価格で手に入れられるってことで買ったものですが、想定外の使い方で想定外のデキのものを手に入れることになりました。
近くの楽器販売店のリペアマン、親切な対応をしてくれた販売店、メーカーとしての意地を見せてくれたVOXと、おそらくは安定したものになってるかを慎重に見極めるのに時間を使ってくださった修理専門会社の方々に感謝します。

これからのギター演奏が楽しみです!

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